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観劇記録

熱海殺人事件 CROSS OVER 45(2週目)

2月24日(土) ソワレ @紀伊國屋ホール

 

 

3回目の観劇です。Wキャストを意識していなかったため先週と同じく匠海さんの大山金太郎です。
全体的に先週よりも断然良かった。台詞1つ1つがテンポ良く回っており、あぁこれだ!このリズム!熱海殺人事件だ!と。観て感じる舞台という認識もあり感想らしい感想になっておりません。考える時間は台本と向き合った時くらい。こう思った、これが好き、というニュアンスでしか言葉が出てこないです。

水野さんも先週よりは違和感なく、むしろこういう子だと思った方が早かったです。伝兵衛の美しさに対しての可愛さがまた新しい組み合わせで、ちぐはぐのように見えるくらいが丁度良いのかもしれません。ですがやはりアイ子の方がしっくりくる。これは個人的な好みですが。実年齢も同じくらいでしょうか、「苔じゃない」がとても痛い。やりたくもないのにやっているけどお金がいるからと葛藤する姿が目に浮かびます。

熊田の安心感というか、石田さんがぴったりすぎてびっくりする程。良い意味で“富山から出てきた熊田”。去年の熊田が富山から出てきたとしてもちょっと良いところの生まれな雰囲気があったからかもしれない。それは置いておいて。大山が伝兵衛に媚びを売っているあのシーン、大山と伝兵衛に目が行きがちになりますが今回は熊田へ目が向くことが多いかなと感じました。なんとなく、故郷でのことをいつまでも忘れる気がない熊田であるのかなと。

なんとなく予想がつく呟きを見ましたが案の定高校生、高校生が熱海殺人事件を理解するということは難しいのでは?という疑問。平成生まれの現代っ子が昭和生まれの役を演じる、全てが違うと思います。でも年齢が近いということは武器になっている気がします。等身大でありながらも未熟なところも持っている大山金太郎がそこにいた。アイ子を想いすぎて走りきってしまった過ちの解釈をもっとストレートにぶつけてきてほしいと思いました。あと喉が少し心配かな。

1週間経てば安定してるなと思う伝兵衛。め組のひとを歌って踊る時こんなにノリノリだったっけ?と思う程に調子が上がってきているのでしょうか。ある程度台詞を覚えているからか観ている時にやっぱり汗っかきだな〜とか喉強いな〜とか思う余裕がありました。浜辺での再現をする時に「続けろ」と吐き捨てる台詞がとっても好きです。茶目っ気も持ち合わせている伝兵衛からの冷めた「続けろ」はどの伝兵衛でも好きな台詞です。この台詞が尾を引くかのように、クライマックスへ向かって進んで行く1つの合図だと思うとゾクゾクします。

伝兵衛シートについても少し。
確かバトルロイヤルの時からの販売でしたでしょうか。あまり記憶がないので味方さんが出演される前からとざっくりとした記憶です。今も昔もこのシートに関しては興味がないと言ったら嘘になりますが、わざわざ特別な座席として販売しなくても、という気持ちです。ツイッターでも話題に上がっていましたが台本通りですし、演出家がどうのという部分ではないかと思っています。役者の感情によるとしか言えないのでは。でも座席の売り方、間違っていませんか。正直、この戯曲が好きだからこそ、あわよくばと思う人にモヤモヤしてしまう部分があることが残念です。