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観劇記録

熱海殺人事件 CROSS OVER 45(3週目)

3月4日(日) @紀伊國屋ホール


最初で最後の敦貴さんの大山金太郎でした。観ることができて良かった。

匠海さんの大山と比べつつ観進める形になった気がします。当たり前にフェイクの入れ方違うなとか「俺じゃあねえよ」の言い方が違うなとか。彼、かなり可愛いお声をしていた印象があります。それとダンスが上手く見えたのは気のせいではないだろう。
確実に違う大山金太郎だと感じたのは浜辺の再現シーンでのこと。あの時の木村伝兵衛の「続けろ」があまりにも恐ろしかったことを今でも覚えている。匠海さんの大山よりも、何故そんなに想っているのに踏みとどまることができなかったのかという怒りをぶつけられているのではないのだろうか。味方さんのブログにもあったように匠海さんがまっすぐであれば、敦貴さんは?私には感情を出すことがとても上手いように思えた。

一足先に熱海殺人事件を観納めることになりましたが今年はまずまずといったところでした。役者の足並みや熱量のバラつきが目立った。その分考える余裕ができたから良しとしておこう。
ああ熊田はあれだけ悲痛な思いをして母親を売っていたのに水野を買うことは簡単にできてしまうんだな、買われる水野も金を見せられて揺らいで結局受け取ってしまうんだな、この人が後に客に金を渡して客のフリをしてもらうんだな、と、ところどころ自虐のようで皮肉めいた場面を観ることができ新しい発見ができた。話自体は重いがそれを別とした時、この連鎖が自然と入ってくるから面白い。
いじられるネタも去年より受けが良かったのはやはりAKBの世間の認知度があったためでしょうか。しかし私のような何となく曲を2、3曲知っている程度の人間からするとほとんど分からなかった。いくら石田さんが上手く回収できるとはいえ長いとダレてきてしまうのも事実だった。

熱海殺人事件とは、悲しい事件だったと捉えるのか、小さな事件だったと捉えるのか、感情の押し付けによる事件だったと捉えるのか、様々に捉えることができると思っている。
今回は果たしてどれに当てはまるのであろうか。